2020 年 35 巻 2 号 p. 194-202
目的:メタボリックシンドロームの概念とともに内臓肥満の評価が重要となっている.腹囲はスクリーニングとして有用である一方,腹囲正常でも内臓肥満や生活習慣病の合併がみられる.今回,内臓脂肪面積(Visceral Fat Area: VFA)を測定し,健診における有用性を検討する.
方法:2014年10月から2018年3月に健診でVFAを測定した12,679名(54.2±10.0歳,男性1,424名,女性11,255名)を対象とした.VFAは腹部生体インピーダンス法にて測定し,動脈硬化リスク因子や生活習慣について検討した.
結果:腹囲とVFAには有意な正の相関がみられた(r=0.876).腹囲正常かつVFA高値は男性13.8%,女性3.2%であった.これらの受診者はVFA正常群と比較し,リスク因子数が1を超え有意に多かった(男性1.18±0.87 vs. 0.93±0.82, p<0.01,女性1.14±0.91 vs. 0.60±0.76, p<0.001).また,「20歳から10kg以上の体重増加」が多く,「食べる速度が速い」「就寝前2時間以内の夕食」といった食習慣も有意に多かった.
結論:腹囲正常でもVFA高値である受診者はリスク因子が多く,特に体重変化や食習慣で問題がある受診者においては腹囲と併せて評価する意義がある.