2020 年 35 巻 2 号 p. 203-209
目的:体重増減が高血圧症,糖尿病および高non-HDLコレステロール血症の罹患リスクに及ぼす影響について5年間の縦断研究により明らかにすることを目的とした.
方法:30~69歳のbody-mass index(BMI)が25kg/m2以上または腹囲が85cm以上の男性労働者を対象として,5年間の体重増減を5%以上増加,3~5%増加,1~3%増加,-1~+1%(体重変化なし群),1~3%減少,3~5%減少,5%以上減少の7群に分類して高血圧症,糖尿病および高non-HDLコレステロール血症の罹患リスクについて検討した.なお,高血圧症,糖尿病および高non-HDLコレステロール血症の分析対象者はそれぞれ2,534人,3,115人および2,019人であった.
結果:高血圧症,糖尿病および高non-HDLコレステロール血症の罹患リスクはいずれも体重増加に伴い上昇し,体重減少に従い低下する傾向が認められた.体重変化なし群と比較して,高血圧症では体重が5%以上減少群のオッズ比が0.60で,糖尿病では1~3%減少群,3~5%減少群および5%以上減少群の3群のオッズ比が0.42,0.26,および0.12で,高non-HDLコレステロール血症では3~5%減少群と5%以上減少群の2群のオッズ比が0.42と0.33で,それぞれ有意な罹患リスクの低下が認められた.
結論:体重を5%以上減少することにより,虚血性心疾患や脳血管疾患の主要な危険因子である高血圧症,糖尿病,および高non-HDLコレステロール血症の3疾患すべての罹患リスクは体重変化なし群と比較して有意に低下することが示唆された.