2020 年 35 巻 4 号 p. 562-569
目的:上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy: EGD)を受けた健診受診者において発見される非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(non-ampullary duodenal epithelial tumor: NADET)の頻度,臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.
方法:2016~2018年の3年間に淀川キリスト教病院 健康管理増進センターで実施した健診目的のEGD 32,542件のうち,病理組織学的にNADETと診断された症例を対象に,健診および電子カルテ情報を後ろ向きに調査した.
結果:NADETは20症例・20病変で発見頻度は0.061%であり,男女比は13:7,平均年齢56.2±11.4歳(35~79歳)だった.内視鏡的特徴については10mm以下の比較的小さな病変が多く(75.0%,15/20例),肉眼型はⅡaが11例(55.0%)と過半数を占めた.色調は全体もしくは辺縁が白色調を呈する病変が多かった(75.0%,15/20例).治療については13例が内視鏡的切除を,1例が外科的治療を受けた.内視鏡的切除の1例と外科的治療の1例が,切除標本により粘膜癌と診断された.
結論:NADETの発見頻度は0.061%で,うち10.0%(2/20例)は粘膜癌であった.健診目的のEGDでも可能な限り十二指腸下行部まで観察し,小病変の段階で発見することが重要と考えられた.