2021 年 36 巻 1 号 p. 46-51
症例は49歳女性.乳房超音波検査で左C区域に境界明瞭平滑で円形~一部分葉状の6mm大の腫瘤影が描出された.ドプラでは血流を認めず断面によって前縁高輝度弧状エコーが存在するようにみえたため乳腺濃縮嚢胞を疑ったが,充実型浸潤性乳管癌をはじめとする悪性疾患の鑑別が望ましいと考え,本人と相談のうえ人間ドック当日に穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology: FNAC)を施行した.どろっとした淡黄白色粘稠な液体が吸引され,鏡検で乳管細胞は認めず,濃縮嚢胞で矛盾しない結果であった.年1回の人間ドックによる経過観察とした.人間ドック当日にFNACを実施することで,受診者に精査機関を再受診させる負担を軽減できたのみならず,嚢胞を精査にしなかったことにより,精査機関の負担軽減にも貢献できた.