人間ドック (Ningen Dock)
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原著
人間ドックの甲状腺超音波健診で検出された腫瘤性病変の検討
牛島 千衣岡村 建中埜 杏奈武田 あゆみ緒方 徹今村 明秀望月 直美山永 義之
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2022 年 36 巻 5 号 p. 691-700

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抄録

目的:健診における甲状腺超音波検査(ultrasonography: US)の成績,特に腫瘤性病変の特徴を検討した.

方法:2018年4月1日から1年間にUSを実施した未治療の5,714例(女性3,971例,男性1,743例,平均年齢51.3±10.5歳)を対象とした.検出した腫瘤の最大径を計測,個数については単発と2個以上の多発に分類し,びまん性病変(腫大,不均質,粗雑など)の合併についても検討した.

結果:2,333例(40.8%)に何らかの所見―充実性腫瘤1,551例(27.1%),嚢胞性病変1,002例(17.5%),びまん性病変467例(8.2%)―を認めた.二次検診の結果が判明した136例中,バセドウ病3例(0.1%),慢性甲状腺炎38例(0.7%),甲状腺乳頭癌9例(0.2%)であった.腫瘤性病変についてさらに検討すると,腫瘤径は対数正規分布を示し(p<0.0001),平均±2SDは6.8(3.2~14.6)mm,1,054例(68.0%)は単発,497例(32.0%)は多発性で,嚢胞性や腫大など随伴所見を527名に認めた.多発性または>20mmの腫瘤が高頻度に随伴所見を伴った.年齢とともに腫瘤が存在する頻度や多発する頻度が上昇し,その傾向は特に女性において顕著であったが,腫瘤の最大径は年代別差を認めなかった.

結論:USにて27.1%の高頻度に充実性腫瘤を検出し,0.2%に乳頭癌を認めた.腫瘤の最大径は対数正規分布し,加齢とともに頻度と数は増すが増大傾向は認めず,環境や加齢に伴う非増殖性の変化である可能性が示唆された.20mm以上の腫瘤形成は約1.2%と高頻度ではなかった.

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© 2022 公益社団法人 日本人間ドック学会
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