人間ドック (Ningen Dock)
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臨床経験(活動報告)
血清H.pylori抗体および内視鏡報告書の改善と受診者の行動変容に関する検討
山口 直子金谷 美奈幸田 知世寺井 雅也日下部 昌太郎門屋 誠三木 隆中野 稔雄石橋 悦次
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2022 年 36 巻 5 号 p. 706-711

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抄録

目的:上部消化管内視鏡検査(以下,内視鏡)施行後,ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori: HP感染性萎縮性胃炎が疑われる受診者には医師から医療機関受診の必要性を説明していたが,人間ドック成績表に抗HP抗体価を反映した判定がされていないため,除菌治療を受けずに経過している症例があった.そのため,内視鏡判定の結果処理工程を改善し,医師のコメントが記載された内視鏡結果報告書を作成した.そして改善後の受診行動を検討した.

対象と方法:約5ヵ月間に人間ドック内視鏡とHP抗体検査をした受診者のうち,医療機関受診が必要とされた35名を対象とし,電話による聞き取りを行った.

結果:電話回答があったのは31名,電話不通者は4名で,そのうちHP除菌実施は21名,除菌薬未服が1名,除菌既往歴があり抗体価の経過観察指示は2名,HP感染がないと診断されたのが1名,医療機関未受診は6名,電話での受診勧奨後,除菌を実施したのは1名であった.

結論:対象者の一部を除いては,HP抗体価を加味した内視鏡結果を理解し,自ら行動できていた.しかし,電話不通者を含めた一部の対象者の行動変容を起こすため,結果票以外からHPに関連する知識,除菌治療の情報提供が必要であると考察した.

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© 2022 公益社団法人 日本人間ドック学会
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