2023 年 38 巻 3 号 p. 467-480
腎機能が正常な場合,プリン体の最終代謝産物である尿酸は腎臓から約2/3が,腸管から残りのほとんどが排泄される.
高尿酸血症の発症には,生活習慣以外に尿酸を輸送するトランスポーターであるATP-binding cassette(ABC)subfamily G member 2(ABCG2)の機能低下や喪失をきたす一塩基多型が大きく関与している.
高尿酸血症の病型には,尿酸排泄低下型,腎負荷型(尿酸産生過剰型,腎外排泄低下型)および混合型がある.
高尿酸血症は,痛風,尿路結石や腎障害の危険因子であるが,心血管系疾患の危険因子となるか否かについては結論が出ていない.
尿酸降下薬には,大きく尿酸生成抑制薬(キサンチン酸化還元酵素阻害薬)と尿酸排泄促進薬(尿酸再吸収阻害薬)に分類される.
非プリン型キサンチン酸化還元酵素阻害薬や選択的尿酸再吸収阻害薬は尿酸降下作用が強く,現在まで重篤な副作用は少ない.
生活指導で重要なのは,肥満の是正,減酒,プリン体や果糖摂取の制限などである.