人間ドック (Ningen Dock)
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原著
健康診断受診者における完全左脚ブロックの年齢階級別心疾患合併率
松尾 史朗野田 吉和横山 剛義本間 智美大眉 寿々子鈴木 裕子中安 邦夫
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2023 年 38 巻 4 号 p. 598-605

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抄録

目的:完全左脚ブロック(complete left bundle branch block: CLBBB)は器質的心疾患を背景に持つことが多く,予後不良な心電図と考えられてきた.しかし,近年,若年者のCLBBBに限っては心疾患との関連が少なく予後良好なことが指摘されている.我が国の健康診断受診者でも同様の傾向が確認されるかを検証した.

方法:2021年度に心電図検査を受けた41,303名を対象として,CLBBBの有病率,心疾患合併率を年齢階級別に調査した.また,CLBBBの発症年齢を男女別,基礎心疾患の有無別に調査した.

結果:CLBBBは61名(男性40名,女性21名)に認められた.CLBBBの有病率は0.15%(男性0.18%,女性0.11%)であった.有病率は年齢とともに上昇した.心疾患の合併は61名中17名であり(27.9%),従来の報告より低値であった.女性では60歳未満に心疾患の合併は認められず,60代以降で年齢の増加とともに合併率の上昇が確認された.男性では,心疾患の合併は40代から認められ,年齢と合併率との間に一定の傾向は認められなかった.CLBBBの発症年齢に性差はなかった.但し,基礎心疾患を有するCLBBBに対象を絞ると,発症年齢は男性42(41~54)歳,女性76(74~79)歳であり,有意差が認められた.

結論:健康診断受診者のCLBBBでは,心疾患合併率は若年者に低く高齢者に高いと一概には言えない.心疾患合併率が年齢とともに高くなる傾向は女性にのみ認められ,男性では認められなかった.

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© 2023 公益社団法人 日本人間ドック学会
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