抄録
ダブルバルーン内視鏡経口アプローチで問題となるオーバーチューブによる咽頭への苦痛・裂傷・誤嚥性肺炎の防止のために我々はダブルオーバーチューブ法を開発した。本法によって,患者への苦痛・裂傷は格段に軽減でき,さらには現在まで誤嚥性肺炎を含めて合併症の出現を認めていない。従来の操作では余剰した潤滑ゼリーは気道内に進入し誤嚥性肺炎の合併が問題であったが,我々が考案したダブルオーバーチューブ法はこの潤滑ゼリーの気管への脱落を完全に防ぐことのできる方法である。さらに,術者にとって本来の小腸病変検索や治療に術者がより集中できる利点がある。今回,我々が報告したダブルオーバーチューブ法でセカンダリーオーバーチューブとして用いたフレキシブルオーバーチューブは他施設でも入手が容易であり,より安全なダブルバルーン内視鏡法の普及に寄与する可能性が期待される。また,より安全で操作性に優れる専用セカンダリーオーバーチューブの開発も待たれる。