人間ドック (Ningen Dock)
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脈波伝播速度(PWV)検査と生活習慣病との関連 ―事後指導のありかたへの一考察―
三好 宏和新居 直人市原 寿江久保 謙一郎鎌村 真子佐々木 春夫相良 安信
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2005 年 20 巻 4 号 p. 638-643

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抄録
目的:人間ドックでの脈波伝播速度(pulse wave velocity:PWV)検査と生活習慣病との関連を検討した.方法:平成46年度に当センター人間ドックでPWV検査を施行した352人のなかで,PWV検査で正常(正常群)143人,動脈硬化あり(硬化群)209人を対象とした.両群と生活習慣病危険因子との関連,メタボリックシンドロームとの関連を比較検討した.次に,既に二次予防,三次予防の段階にある頻度を比較検討した.結果:硬化群は正常群に比し有意に高齢であった.血圧異常,耐糖能異常,高中性脂肪血症の頻度は硬化群に有意に高率であった.高総コレステロール血症,低HDLコレステロール血症の頻度は両群で有意差はなかった.肥満の頻度は両群で有意差はなかったが,メタボリックシンドロームの頻度は硬化群に有意に高率であった.既に二次予防,三次予防の段階にある頻度は硬化群に有意に高率であった.結論:PWV検査と生活習慣病との関連は強く認められた.PWV検査結果を生活習慣病との関連も考慮し。程度により積極的に二次予防・三次予防に介入することも必要と思われた.
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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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