人間ドック (Ningen Dock)
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胃がん検診における胃がん高危険像と検査間隔についての検討
橋本 洋山口 尚子田中 美紀杉山 茂樹小倉 節子秋本 真寿美重本 六男前田 淳
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2006 年 21 巻 1 号 p. 46-49

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抄録
目的:Helicobacter pylori(H.pylori)感染は慢性胃炎をひきおこし,さらに腸上皮化生が伴うと胃がん高危険像とされている.そこで検診内視鏡時に化生粘膜の内視鏡所見である顆粒状粘膜像(granular lesions:GL)の有無により胃がん検診の間隔を考慮することの可否を検討した.対象と方法:1989年1月から2004年6月までに診断された胃がんのうち,フィルムを見返すことで3回以上病変部位が確認できた63例.確認できた最も古いフィルムの病変部位に顆粒状粘膜像(GL)の有無と胃がん組織型,肉眼型との関係,胃がん診断までの期間を比較した.結果:GLを有する割合は,胃がん組織分類では分化型腺がんの57%,印環細胞がんの29%を占めている.さらに分化型腺がんを肉眼分類で比較すると,GL有りはIIaの67%, IIa+IIcの50%, IIcの47%, IIIcの50%,advancedの67%であった.印環細胞がんについても, GL有りはIIcで13%,IIc+IIIで40%, +IIbで0%, advancedで100%であった.最も古い所見から診断までの期間は,全平均で4.5年であり,組織型とGLの有無について診断までの期間を比較すると,分化型腺がんではGL有りが4.5年, GL無しが3.6年.印環細胞がんはGL有りが5.8年, GL無しが4.7年であった.結語:GLを有する割合は分化型腺がんで高い傾向にあったが,GLの有無と胃がん診断までの期間は大差なく,組織型,肉眼型によらず内視鏡検査間隔を考慮するのは難しいと思われた.
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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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