抄録
目的:住民検診における心房細動症例の現況を検討し,事後指導のあり方に対して考察した.方法:平成16年度に当センターで住民検診を施行した16,838人を対象とし,心房細動症例の頻度を検討した.次に,心房細動症例を心房細動治療中の群(治療群),心房細動の治療はしていないが高血圧,高脂血症,糖尿病,高尿酸血症などで医療機関を受診している群(受診群),医療機関を受診していない群(放置群)の3群に分類し,症状,喫煙や飲酒との関連を比較検討した.次に放置群に対して検診記録の履歴を参照し,事後指導のあり方に対して考察した.結果:107人が心房細動と判定され,全体の0.64%を占めた.症状(+)の割合は治療群(71.0%)の方が受診群(43.5%)や放置群(46.7%)に比し多かった.喫煙(+)の割合は治療群(13.0%),受診群(17.4%),放置群(13.3%)で,全体的に喫煙の習慣は少なかった.飲酒(+)の割合は,治療群(46.4%)では,受診群(65.2%)や放置群(60.O%)よりやや少ないものの飲酒の習慣は全体的に多かった.翌年度の検診で放置群のうち40.0%が心房細動治療中になっていた。結論:放置群のなかにも要治療の指導を続けることにより,治療に結びつく例もあり,今後も心房細動症例に対して現況を把握しながら,適切な事後指導を行う必要があると思われた.