2006 年 21 巻 3 号 p. 674-679
目的:東振協22年間の健診データ(約800万人の受診者)の時系列(脳)的解析を試みる.方法:対象を検診コース別にA~Cの3コースに,年齢別区分は,5区分した.検査成績の判定は,A判定~F判定の6区分に分けた.判定A,B,Cの3群間(A,B,C)または(A,B),C,(D,E,F)の3群間の人数の作る2直線の交角θ度は,ベクトル数学で用いる内積から求めた.結果:θ° で計測するこの新しい手法により,膨大な(1)量の比較,(2)各種の組み合わせの解析が容易となった.結論:交角θ°をパラメータとする新しい手法による比較処理は,迅速かつ正確であり,今後の統計処理に有用と思われる.コース別,臓器別,年齢別,など各クライテリヤ間の組み合わせ解析の結果,θ°の低下は老化の一指標となりうることが判明した.