人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
健診におけるメタボリックシンドロームの検討―高コレステロール血症の合併について―
望月 茂松岡 謙二冨田 照見中川 善雄三崎 文夫小林 正夫井上 穎樹福山 興一原田 康松原 明夫寅貝 良子西田 泰美川畑 麻乃山本 泰司鍋田 秀人平川 茂
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 3 号 p. 713-719

詳細
抄録

目的:内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積と動脈硬化の危険因子との関連を検討した.また,メタボリックシンドローム(Met.S.)に合併する高コレステロール血症(高CHO)について検討を加えた.対象と方法:平成16年度に当協会人間ドックで腹部CTによる内臓脂肪面積の計測,頚動脈工コー検査を受けた616人を対象とした.内臓脂肪面積とbody mass inde×(BMI)により4群に分類した.I群:内臓脂肪100cm2以上,BMI25以上,II群:内臓脂肪100cm2以上,BMI25未満,III群:内臓脂肪100cm2未満,BMI25以上,IV群:内臓脂肪100cm2未満,BMI25未満.I群-IV群における各危険因子の頻度を調べた.また,Met.S.に合併する高CHOについて検討した.結果:I群,II群は正常群(IV群)に比し,血圧高値,リポ蛋白異常,高血糖,危険因子2個以上重積,高CHO,高LDL-CHOの各頻度は有意に高かった.高CHOを伴うMet.S.は高CHOを伴わないMet.S.に比して,頚動脈プラークの頻度が有意に高かった.Met.S.と高LDL-CHOの合併の有無と頚動脈プラークの頻度との間には有意差を認めなかった.結論:内臓脂肪蓄積により動脈硬化の危険因子数は増加する.高CHOを伴うMet.S.群は高CHOを伴わないMet.S.群に比し,頚動脈プラークの頻度は有意に高かったが,Met.S.と高LDL-CHOの合併の有無と頚動脈プラークの頻度との間には有意差を認めなかった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事
feedback
Top