人間ドック (Ningen Dock)
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人間ドック問診票からみた働く中高年女性の健康管理における問題点の検討
田村 由美子吉田 秀夫新井 祥子深澤 順子星本 さおり新海 佳苗園部 洋巳中村 和弘花岡 和明
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2006 年 21 巻 3 号 p. 708-712

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抄録

目的:働く中高年女性の健康上の問題点を明らかにするために,人間ドック受信時の問診票を中心に検討を加えた.方法:平成15年に当健康管理センターを受診した35歳から70歳までの女性,1,769名(平均年齢50.8±8.3歳)を対象とした.就労女性1,145名を,18の労働時間が8時間以下かつ1カ月の休日数が8日以上の条件を満たすものを短時間勤労群(以下短時間群)とし,就労している受診者を勤労群と短時間群の2群に分け,現在就労していない受診者624名を対照群とした.それぞれの群について,記入された問診票から,労働態様,生活形態,嗜好習慣,身体的および精神的愁訴について検討した.結果:勤労群と短時間群は対照群に比べ年齢が若かった。各群の生活形態・嗜好習慣については,勤労群で睡眠時間と定期的な運動習慣が少なく,喫煙,飲酒習慣,肉卵,塩分,甘いものの摂取が多く。野菜の摂取は少なかった.また,3度の食事をきちんととらない,寝る前に食事をとると回答した率が多かった.また,身体的及び精神的愁訴では,体がだるい,気がめいる,日常生活が楽しく過ごせていない,が勤労群で多かった.結論:中高年の就労女性では,日常生活習慣や精神面で多くの問題を抱えていることが示された.働く女性に対する新しい問診票を作成する上で,今回の検討が基礎的資料になると考えられた.

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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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