人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
がん・生活習慣病健診における肝血管腫の検出状況について
松井 昭義小野寺 博義岩崎 隆雄小野 博美手嶋 紀子阿部 寿恵渋谷 大助
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 22 巻 1 号 p. 35-39

詳細
抄録

目的:超音波検査において肝血管腫は一般的に描出される所見である.しかしながら,毎年検査を受診していても数年後に始めて肝血管腫が認められたり,肝血管腫を認める症例において突然に検出されなくなったりする症例を経験する.そのような現象について頻度や傾向について検討した.方法:平成8年度から平成16年度までのがん・生活習慣病健診の超音波検査受診者47,557名を対象とした.平成13年度に肝血管腫を認めた243例について病変の大きさ,エコー輝度を調べ,その後の当該病変の検出傾向について検討した.結果:肝血管腫は2,571人に発見され,発見率は54%であった.肝血管腫の74.0%では次年度以降毎年所見を認めた.受診年度によって病変を描出できたり,できなかったりしたのは13.8%で,その後所見をまったく検出できなくなったのは12.2%であった.結論:肝血管腫の病変観察には,このような肝血管腫の検出状況を踏まえて検査することが必要不可欠である.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top