抄録
目的:メタボリックシンドローム(MetS)およびマルチプルリスクファクター(MR)症候群が心血管合併症の危険因子として注目されている.そこで,当健診センターの人間ドックで実施した75g経ロ糖負荷試験(OGTT)を解析し,他の生活習慣病項目との関連性とその必要性を検討した.方法:平成16年度に75g OGTTを実施した30-78歳の受診者243名:平均年齢526±93歳,を正常型(NL),境界型(IGT),糖尿病型(DM)に分類し,body mass index(BMI),収縮期血圧(SBP),総コレステロール,中性脂肪(TG),尿酸(UA),肝機能(LF),脂肪肝(FL)についてNLと比較検討した.結果:NL52.7%,IGT26.3%,DM21.O%で,空腹時血糖<110mg/dlであってもIGT20.O%,DMが3.0%認められた.IGTではBMI,TG,UAが,DMではSBP,TGがいずれもNLに比して有意に(P<O.05)高値であった.LF異常とFLの占める割合はIGT,DMで著明であった.3項目以上の異常項目を有する割合はIGT,DMで正常型に比して大であった.結語:人間ドックにおける75g OGTTでは空腹時血糖<110mg/dlであってもIGT,DMが含まれていることから,BMI,収縮期血圧,中性脂肪,尿酸,肝機能に異常と脂肪肝が認められた場合には,MetSを疑い積極的に75g OGTTを実施し,早期に耐糖能異常の発見に努める必要がある.また,MRの保健指導および生活習慣を改善することにより,DMへの進展を阻止すると共に心血管合併症の予防を図ることが重要と考えられる.