人間ドック (Ningen Dock)
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“トライ13”プログラムの成果とその改善効果定着への追跡検討
中村 節子川代 昭子小林 毅藤枝 美由紀葛西 文彦澁谷 直山下 靖代松葉 孝二折戸 比佐子岸本 加代子飯田 久美子
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2007 年 22 巻 3 号 p. 393-397

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抄録

目的:生活習慣病リスクの低減のためには改善された生活習慣が持続されることが大切である.そこで“トライ13”の成果を検討し,この得られた成果が持続,定着しているか追跡検討を目的とした.方法:平成14年6月から平成18年3月までのトライの参加者,男性160名,女性162名について生化学検査及び生活習慣の改善効果を調査した.さらに,その効果の定着度をみるためにトライ終了から1年-3年経過した人で再調査に同意された男性22名,女性20名について,同様の検査を施行し追跡した.また,血液検査には参加できなくとも,アンケートに協力した70名を加えて,生活習慣改善の定蕎状況を調査した.結果:トライ終了時,body mass index(BMI)≧25を呈した214中188名88%が改善,平均1.3減少した.脂質異常は70%の改善,空腹時血糖異常は80%の改善など,有意な改善効果を得た.追跡群のアンケート調査ではカロリー摂取低下などの食生活改善は92%に,運動習慣は78%に維持されていた.生活習慣改善はよく定着し,トライ終了後1から3年の追跡では体重がBMIで平均1.1減少し,HDL-Cの改善を含めて改善の継続があった.結論:参加者には日常の生活様式が生活習慣病に直結していること,自らの努力で修正できることを知り,各自でプログラムの反復継続してもらうことが必要である.更にこの経験を積み重ねての検討が必要である.

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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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