人間ドック (Ningen Dock)
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大腸内視鏡検査受検者の結果報告および生活習慣因子の関係について
山本 友子小林 永幸小林 純一下平 和久高橋 央松澤 正浩北村 静信信太 恵子益満 恵美子齊藤 博
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2007 年 22 巻 3 号 p. 398-403

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抄録
目的:便潜血陽性者のうち大腸内視鏡検査を受診した人の検査結果と生活習慣因子等を調査し,保健指導への活用を図る.方法:カルテから大腸内視鏡検査(CF)・組織診結果,治療経過.健診結果報告書からボディマス指標(bodymass index:BMI),血糖,脂質,肝機能,胃内視鏡検査所見.質問表から,治療疾患,手術歴,排泄状態,食生活習慣,嗜好等に関するデータを抽出し,CF結果との相関を調査した.成績:対象者156人のCF結果では,70.5%が大腸内視鏡有所見者であり,そのうち痔疾21.8%,憩室10.1%,良性ポリープは41.8%を占めている.年代別の良性ポリープ出現率は60代40.5%,50代28.6%,40代26.5%であった.悪性ポリープはCF有所見者の6.4%で,男性の発症率が高かった.有所見の結果では,経過観察及び治療中が50.0%であり,そのうち1年後観察46.3%,ポリペクトミー27.3%,手術5.5%であった.CF有所見と生化学検査異常値との相関において,総コレステロールはオッズ比で1.48,中性脂肪は1.47であるのに対し,血糖高値の人は3.25(p<0.05)でリスクが高い結果であった.結論:今回の調査で大腸有所見と高血糖との関連性が高く,食生活習慣・飲酒・喫煙などの有意性も明らかとなった.
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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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