抄録
目的:慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)発症に対する血清尿酸値(uric acid:UA)の意義を解析する.方法:21年にわたる虎の門病院人間ドック受診者の,初回受診時データ(男性50,363例,女性21,269例,計71,632例)を対象に,Modification of Dietin Renal Disease(MDRD)study groupによる簡易式による推算糸球体濾過量(eGFR)と年齢,およびBMI,血圧,その他各種検査値との相関を,相関分析により検討した.また1995年以降に3年以上連続して受診した男性のうち,当初CKDを発症していなかった7,026例を対象として,当初のUAにより4群に層別し,Cox比例ハザードモデルを用いてCKDの新規発症率を解析した.結果:UAはeGFRに対して,尿素窒素と同等(女性)または尿素窒素に次ぐ(男性)強さの相関を示した.また当初のUAは,高尿酸血症(7.1mg/dl以上)のみならず,5.1mg/dl以上であれば,5.1mg/dl未満の群と比較して有意にCKDを新規に発症しやすかった.結論:UAはCKD発症の独立した危険因子であるばかりでなく,その予測因子となりうる.