1975 年 37 巻 1 号 p. 20-23
長崎地方の女性5名(68才, 64才, 8才, 7才, 5才)にみられた頭部の“black dot” ringwormを報告し, その原因菌および臨床症状について若干の考察を加えた。わが国においても, Trichophyton violaceum による頭部白癬において, 炎症のほとんどない, 病毛が皮面で切断されて, 皮膚内に黒点として残る, いわゆる“black dot” ringwormが存在していたのではないかと思われる。治療においては, 全例グリセオフルビンが有効であつた。