西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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研究
女子顔面黒皮症と過酸化脂質
早川 律子小林 美恵田中 隆義上田 宏岡田 吉郎
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1977 年 39 巻 1 号 p. 70-74

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抄録
女子顔面黒皮症10例に, α-tocopherol nicotinate(V.E)600mg/日とV. C 600mg/日の経口投与, 2% α-tocopherol(V.E)含有クリーム外用療法を行い以下の結果を得た。血清中過酸化脂質量, 過酸化脂質量の総脂質量にたいする割合は有意の差をもつて減少した。2% V.E含有クリーム使用群は皮脂中過酸化脂質量が減少したが, placebo(基剤のみ) 使用群では認められなかつた。色差計による皮膚色の測定は, 明度の値が肉眼的感覚と一致し, 色素沈着部と非色素沈着部との明度差は, 2% V.E含有クリーム使用群では有意の差をもつて減少したが, placebo使用群では有意差が認められなかつた。皮脂中過酸化脂質量の変動は, 色差計による明度差の測定値とよく相関した。
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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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