西日本皮膚科
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研究
先天性魚鱗癬様紅皮症水疱型
―電子顕微鏡的研究ならびにラジオオートグラフィーを用いた研究―
手塚 正大熊 守也平井 玲子池村 郁夫大川原 脩介廣瀬 至木村 秀子比留間 政太郎
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ジャーナル 認証あり

1977 年 39 巻 1 号 p. 75-84

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抄録

先天性魚鱗癬様紅皮症水疱型患者皮膚を電顕およびラジオオートグラフィーを用いて検討した。表皮細胞は基底細胞およびその上の2層の細胞より上で空胞変性がいちじるしい。この細胞は電顕的に, 核はほぼ正常で核小体を有し核膜も明瞭であるが, 細胞質は浮腫性で拡大し, リボゾーム様顆粒が多数みとめられるほかミトコンドリア, ゴルジ装置はほとんど存在せず, トノフィラメントの凝集塊が核をとりまいている。角質細胞はケラチンフィラメントの豊富な細胞と疎な細胞とあり, 後者には肥厚細胞膜の形成がみられない。14C-グリシンは基底層およびその直上の2層に多数とり込まれ空胞変性細胞にはまつたくとり込まれなかつた。3H-サイミヂンは基底層およびその直上2層の細胞にとり込まれていた。

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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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