西日本皮膚科
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シンポジウム―検査法の皮膚科的意義―
蛍光抗体法
―とくにSLE,梅毒について―
丸田 宏幸亀山 明井上 和彦
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1977 年 39 巻 4 号 p. 507-514

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抄録

1) 20例のSLE患者皮膚におけるdermoepidermal junction部のγグロブリン沈着は皮疹部で82%, 無疹部で58%に陽性所見をえた。3例においては表皮細胞核のみが陽性をしめした。この検査法はSLEにだけ特異的であるわけではないが, 診断的価値は高い。
2) 抗核抗体価の測定はSLEの診断上きわめて有意義である。とくに160倍以上の高い抗体価をしめす場合さらに確率は高くなる。しかし, SLEの病勢との間には一定の関連はみられなかつた。
3) パターンについてはSLEの診断および病勢判断の材料にするにはまだ多くの問題が残つている。
4) FTA-ABS抗体価を測定したが, 本検査法は梅毒の早期から特異的かつ鋭敏であるが, 治療効果の判定や治癒判定には不向きであることを再確認した。

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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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