西日本皮膚科
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研究
スポロトリコーシスの沈降反応に関する研究
久保 範也
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1979 年 41 巻 5 号 p. 898-905

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抄録

Sporothrix schenckiiの培養濾液を抗原とし, 沈降反応により, 1) スポロトリコーシス患者の血中抗体の検出, 病勢にともなう抗体の変動, 2) 抗原価におよぼす培養期間の長短ならびに抗原における加熱操作の影響を追求し, 以下の結果をえた。1) 血中抗体は本症患者23例中22例に陽性で, 対照では836例中陽性は28例にすぎなかつた。血清学的には概して固定型ではlabile, リンパ管型ではstableな動きを示したが, 臨床症状と抗原価は必ずしも並行しなかつた。2) 抗原の培養期間は1週では抗原性がなく, 5週≤9週≤13週≤17週≤14週の強さの順で反応し, また抗原に加熱操作を加えても反応の低下は認められなかつた。すなわち本抗原は耐熱性を示した。なおスポロトリキン反応は全例陽性で, 病型ではリンパ管型より固定型の方がよく反応する傾向にあるものの, 両者の反応陽性率に差はみられなかつた。またS. schenckii加熱死菌で免疫した家兎においても免疫終了後1年半まで本反応陽性が持続した。

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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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