西日本皮膚科
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症例
網状融合性乳頭腫症の軽症例とも考えられた色素性痒疹
 
大島 恒雄大島 圭子
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1980 年 42 巻 2 号 p. 248-251

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抄録
前駆症状であるそう痒性紅色皮疹のくりかえす発生がなく, 色素沈着も網目状および大理石紋様ながら色調は薄く, 色素性痒疹であるか, 網状融合性乳頭腫症であるかの鑑別が困難であつた症例を報告した。そう痒性紅色皮疹発生後6ヵ月して色素沈着を生じ, しかも患者自身がそう痒性紅色皮疹の発生に気づいていない場所にも色素斑を見た。病理組織検査によつても色素沈着を見るのみで角質増殖も著しくなく, 乳頭腫症も存在しないため色素性痒疹と診断した。
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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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