抄録
70才女子の顔面に生じたchromomycosisの1例を報告した。皮疹は左頬部に6×3mmの褐色, 表面疣贅状の肉芽腫様病変で, その中央部は深さ1mm足らずの小潰瘍をなし表面に痂皮を付着する。リンパ節腫脹はない。自覚症状はない。組織像は, 真皮中層に巨細胞を混じる細胞浸潤があり慢性肉芽腫の像を示した。その巨細胞内および毛嚢内にsclerotic cellsが認められた。巨大培養および懸滴培養にて, 原因菌をFonsecaea pedrosoiと同定した。病変摘出後5-FC 4.5g/dayを投与し現在経過観察中であるが再発の様子は見られない。本症例は, 岡山地方における第3例目のchromomycosisである。