SLEの29才主婦例を報告した。昭和44年(18才時)以来, 11年間, 春から夏にかけて発熱と顔面, 躯幹に環状に拡大する浸潤性紅斑を生じ, 冬から春にかけては手足に凍瘡様皮疹を認めた。検査成績では白血球減少, RA陽性であつたが, 52年11月, 抗核抗体陽性となり, 53年9月には発熱と顔面, 背部のダリエ遠心性環状紅斑様皮疹を多発した。このときは抗核抗体陰性, 抗DNA抗体640倍, LE細胞陰性, 補体正常で背部の環状紅斑の組織像は非特異的であつた。しかし, 電顕的検索で同部位よりmicrotubular structureを証明した。以上のことからRekantらのauto-immune annular erythemaと類似症例と考えたが, 同年11月
β1Eグロブリンの低下, 54年3月LE細胞陽性, 抗核抗体40倍(homogeneous pattern), CH
50の低下を認めたため, 環状紅斑を主徴としたSLEと診断した。またいわゆる環状紅斑を主徴として, 組織学的, 免疫学的にSLEを疑わしめる症例をまとめて検討を加えた。
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