西日本皮膚科
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研究
慢性蕁麻疹における抗原の検索
—ダニ, ハウスダスト, 真菌抗原をもちいた皮内テストおよび白血球からのヒスタミン遊離反応の検討—
沼田 恒実山本 昇壮矢村 卓三
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1980 年 42 巻 3 号 p. 443-447

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抄録
他のアレルギー性疾患を合併せず, 病歴からは特異抗原の示唆されない慢性蕁麻疹患者に皮内テストおよび白血球ヒスタミン遊離反応をおこない検討した。106例の皮内テストでは72例(67.9%)がダニ, ハウスダストおよび真菌抗原の少なくとも1つ以上に対して陽性を示し, とくにダニ, ハウスダスト, カンジダ抗原による陽性率が高かつた。65例の白血球ヒスタミン遊離反応では14例(21.5%)に抗原による白血球からの著明なヒスタミン遊離がみられ, 慢性蕁麻疹患者が感作された状態にあること, すなわちI型アレルギー反応が関与する可能性が示唆された。皮内テスト, 白血球ヒスタミン遊離反応のいずれにおいても, ダニ抗原の陽性率が高く慢性蕁麻疹における同抗原の役割が注目された。
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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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