1981 年 43 巻 6 号 p. 1308-1312
最近3年半における宮医大皮膚科でのsubcutaneous dermoid cyst症例は5例であるが,そのうち上眼瞼に認められた3症例(2才男児,27才女子,24才女子)につき検討した。発生部位の解剖学的特性から術前検討が重要であるが,われわれの行なつたxeroradiographyは嚢腫の局在を知る上できわめて有用であつたが,さらにCTや眼科医へのconsultationなどより慎重な術前検討が必要である。組織像は皮膚附属器を伴つた表皮様嚢腫であり,自験全例に毛片を伴つた肉芽腫形成が認められた。