西日本皮膚科
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症例
Sézary症候群のSmall Cell Variant
—Helper T Cell機能とAdenosine Deaminase活性上昇を示した1例—
小泉 洋子猿田 基司飯塚 一川岸 郁朗三浦 祐晶
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1982 年 44 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

58才男子に発症したSézary症候群のsmall cell variantを報告した。
1) 紅皮症, 全身のリンパ節腫大, 軽度の肝脾腫大を示し, 異型細胞が末梢血中および皮膚にみられた。骨髄に浸潤は認められなかつた。
2) 免疫グロブリンはIgG, A, Eは正常で, IgMが上昇していた。PPDは陰性であつた。
3) 末梢血中の異型細胞は10μ程の大きさで, きれこんだ脳回転状, 迷路状の核を有し, 胞体にPAS陽性顆粒をもつていた。
4) 末梢血中リンパ球はADA(adenosine deaminase)活性上昇を示し, 末梢血中の異型細胞の数と平行してその活性は変動した。
5) Sézary症候群のsmall cell variantに関して若干の考察を行なつた。

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© 1982 日本皮膚科学会西部支部
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