ペラグラは1770年代より, 主としてヨーロッパ各地で認識されていたようでスペインの内科医Gaspar Casalが詳細な研究観察を残したのが1735年とされる1)2)。これよりCasalの頸帯なる言葉がペラグラを連想させることとなり, 故北村精一教授は日本皮膚科全書のペラグラの執筆にあたり定型的なものとして別図XIIIに示しておられる2)。筆者らは典型的な点でこれに劣らないと考えられるCasalの頸帯を発見したので, カラーページに示すとともに治療と観察の結果を報告し, いささかの文献的考察をも記すことにする。近時豊かになつた食生活によりペラグラの報告は少なく3)∼5), 1例報告に価するようであるが, かつては流行的発生をみたようで1)外国文献にも結核治療のために併発した報告を散見するようである6)∼9)。