西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
0.1% Hydrocortisone 17-Butyrate 21-Propionate外用剤(Pandel軟膏およびクリーム)の二重盲検法による比較臨床試験成績
Pandel臨床研究班
著者情報
ジャーナル 認証あり

1982 年 44 巻 4 号 p. 644-656

詳細
抄録

国産第1号の外用合成コルチコステロイドであるhydrocortisone 17-butyrate 21-propionate(HBP)を0.1%含有する外用剤Pandel軟膏(Pan-O)およびPandelクリーム(Pan-C)の臨床効果の位置づけを検討する一環として, Pan-Oについては, Pan-Oの基剤にhydrocortisone 17-butyrateを0.1%含有させたもの(HB-O)およびbetamethasone 17-valerateを0.12%含有させたもの(BV-O)を対照薬剤とするblind性重視の比較試験を, Pan-Cについては, ロコイドクリームおよびリンデロンVクリームを対照薬剤とするwell controlledの製品間比較試験を, いずれも尋常乾癬の入院患者を対象に多施設共同研究として行つた。効果判定に関しては182例, 副作用に関しては183例の解析対象例について検討し, 以下の成績を得た。
1) Pan-OとHB-Oの比較成績では, 試験開始1週後, 2週後, 3週後の全般改善度および全般改善度の優劣比較, 有用性の判定, 有用性の比較のいずれも, Pan-OがHB-Oより有意に優れた。
2) Pan-OとBV-Oの比較成績では, 試験開始3週後の全般改善度および試験開始2週後の全般改善度の優劣比較でPan-OがBV-Oより有意に優れた。
3) Pan-CとロコイドクリームまたはリンデロンVクリームとの比較成績では, 各評価においていずれも有意差は認められなかつた。

著者関連情報
© 1982 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top