0.05% Clobetasol 17-propionate(CP)クリーム·軟膏を用い, 難治性慢性皮膚疾患を中心とした15疾患(557例)について臨床的有用性の検討を行つた。
1. 比較的短期間に効果のみられる虫さされ, 薬疹·中毒疹, ジベルばら色粃糠疹に対する有効率は, CPクリームでは95.7%(67/70), CP軟膏では100%(61/61)であつた。
2. 難治性慢性の11疾患(慢性円板状エリテマトーデス, 扁平苔癬, 紅皮症, ケロイド, 肥厚性瘢痕, サルコイドーシス, 環状肉芽腫, アミロイド苔癬, 天疱瘡群, ジューリング疱疹状皮膚炎·類天疱瘡, 悪性リンパ腫)に対する有効率は, CPクリームでは82.4%(140/170), CP軟膏では85.3%(168/197)であつた。
3. 円形脱毛症に対する有効率は, CPクリームでは75.8%(25/33), CP軟膏では73.1%(19/26)であつた。
4. コルチコステロイド, 抗癌剤などの全身投与を認めた天疱瘡群, ジューリング疱疹状皮膚炎·類天疱瘡, 悪性リンパ腫については, 併用群とCP外用剤単独群の有効率に差はなかつた。
5. 副作用は77例(103件), 13.8%の発現をみた。これらの副作用の大半は軽度のものであり, 治療を中止した症例はCPクリームで2例, CP軟膏で1例の3例であつた。
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