西日本皮膚科
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治療
尋常ざ瘡にたいするFostex CreamとFostrilの臨床効果
新潟アクネ研究班
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1983 年 45 巻 2 号 p. 278-281

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抄録

Medicated cleanser である Fostex cream (FXC)と drying lotionであるFostril (FL)の治療効果を, 重篤度にかかわらずざ瘡患者を対象として8施設において検討した。症例数106例のうち, 解析対象例は100例であつた。その結果は次のごとくである。
1) 86%の症例で有用性を認めた。
2) 軽度から中等度の症例に高い有用性を示したが, 丘疹, 膿疱の多発する炎症の強い症例には治療効果が弱かつた。
3) 副作用は軽微なものを含めて14%にみられ, 主としてそう痒感と発赤であつた。治療前に炎症が強い症例で副作用も強い傾向がみられた。
以上の結果から, FXCとFLは脂漏と面皰を主症状とした尋常ざ瘡の軽度から中等度の症例に対して有用な, すぐれた外用剤であることが認められた。本剤は適応する症例を選択し, 使用法の適切な指導を行えば, 簡便で, 外観も良好な新しい外用剤として期待できると考える。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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