西日本皮膚科
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研究
単純性血管腫のアルゴンレーザー療法
—臨床病型と治療効果との関係—
中野 朝益手塚 正
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1983 年 45 巻 6 号 p. 1028-1033

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抄録

単純性血管腫を肉眼的にA, B, Cの3型に分類し, アルゴンレーザー療法による治療効果との関係を検討した。100例の単純性血管腫をA, B, Cの臨床型に分類し, 組織学的にも検討し, アルゴンレーザーで治療した。A型は境界明瞭で赤色調が強く, 毛細血管拡張が著明で, 組織学的に真皮最上層に拡張した血管が多数分布するもので, C型は境界はやや明瞭だが赤色調は弱く, 毛細血管拡張が認められず, 組織学的にはA型よりやや深部にあまり拡張していない, 内腔に赤血球のほとんど認められない血管が分布するもので, B型は肉眼的, 組織学的にAとCの中間に属するものとした。米国コヒーレント社製システム1000アルゴンレーザーを用い, 照射出力1.2ワット, 照射時間0.2秒の条件で治療した。治療効果の判定は6ヵ月後におこなつた。A型は28例, B型は38例, C型は34例あり, A型はレーザー治療によく反応し, C型はあまり反応しなかつた。B型はAとCの中間の反応性を示した。単純性血管腫はレーザー治療の反応性により3型に分類され, 肉眼, 組織所見もそれに対応していた。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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