西日本皮膚科
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研究
皮膚科領域におけるSK·SD抗原による皮膚反応および白血球吸着阻止試験の有用性
岡崎 泰典
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1983 年 45 巻 6 号 p. 995-1001

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抄録

Streptokinase·streptodornase(SK·SD)抗原による皮膚反応および白血球吸着阻止試験の皮膚科領域における臨床応用の有用性について検討し, 以下の結果を得た。
1. 健康人群
1) SK·SD皮膚反応は20∼59才の健康人群28例においてSK濃度5単位と10単位とでは正の相関を示した。2) SK·SD皮膚反応は20∼59才の健康人群28例では, PPDおよびPHA皮膚反応, またT細胞数およびSK·SDを抗原とするLAI試験のいずれとも有意の相関を示さなかつた。
2. 疾患群
1) SK·SD皮膚反応は20∼59才の細胞性免疫能抑制性疾患18例で, PPD皮膚反応とともに反応低下の傾向を示した。2) SK·SD皮膚反応は20∼59才の細胞性免疫能非抑制性疾患群21例では反応低下の傾向を示さなかつた。一方PPD皮膚反応は反応低下の傾向を示した。3) SK·SD皮膚反応は60才以上の健康人群23例, 細胞性免疫能抑制性疾患群18例, および細胞性免疫能非抑制性疾患群13例のいずれにおいても, PPD皮膚反応とともに反応低下の傾向を示した。
以上から, SK濃度として5単位のSK·SDによる皮膚反応は20∼59才の症例を対象とする場合, 細胞性免疫能の指標として有用であると考えられた。しかし, SK·SDによる白血球吸着阻止試験の有用性は認められなかつた。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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