西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
アトピー皮膚炎におけるN-5′の試用経験
—再発抑制効果についての検討—
瀬戸山 充米良 修二田代 正昭
著者情報
ジャーナル 認証あり

1984 年 46 巻 1 号 p. 383-390

詳細
抄録

アトピー皮膚炎患者10例にN-5′細粒剤を平均59mg/kg/日, 2.4ヵ月間投与して以下の成績を得た。
1) 全般改善度判定では著明改善2例, 中等度改善5例, 軽度改善1例, 悪化2例であつた。
2) 有用度判定では, きわめて有用2例, 有用5例, やや有用1例, 有用とは思われない2例であり, 有用性のみられた症例では投与期間中症状の再燃はなく, 一部ではあるが症例によつてはステロイド外用剤の離脱が可能となつた。
3) そう痒および丘疹は2∼4週以後, 表皮剥離·掻破痕, 落屑は6∼8週以後有意に改善した。
4) 症状の全般的重症度の改善は, 投与後8週以後において有意な傾向を示した。
5) 副作用はなく, 臨床検査値に異常はみられなかつた。
6) 以上のことからN-5′は, アトピー皮膚炎の治療においてベースに用いられるべき薬剤と思われた。

著者関連情報
© 1984 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top