西日本皮膚科
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研究
ハトムギのウイルス性疣贅に対する実験的臨床的研究(第4報)
—ハトムギ細胞傷害性物質の分離—
平野 京子安田 和正降矢 けい堀川 博朗
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1984 年 46 巻 4 号 p. 922-927

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抄録
現在までにわれわれはハトムギ種皮熱水抽出物がウイルス性疣贅に対し効果のあることを臨床的に確かめた。今回この活性物質の分離を試みた。活性は51Cr-labeled K-562をターゲットとするdirect cytotoxicity testで測定した。まずハトムギ種皮熱水抽出物をメタノール:クロロホルム(1:2v/v)溶液で抽出し, その可溶成分を濃縮した。これをシリカゲル薄層クロマトプレート(Merck Art5745)を用い, 展開溶媒として石油エーテル:エチルエーテル:酢酸(80:20:1)を用いて一次元上昇法によりクロマトグラフィーを行つたところRf値0.18の位置に活性物質が認められた。さらにこの部分をIR, ガスクロマトグラフィー, GC-MSにて分析した結果, 主にC16:0のpalmitic acidとC18:1の不飽和脂肪酸の塩であることが同定され, またC18:0のstearic acidおよびC18:2の不飽和脂肪酸の塩が少量含まれる混合物であることが判明した。
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© 1984 日本皮膚科学会西部支部
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