RS44872(硝酸スルコナゾール)ソリューション(RS-S)の臨床的有用性を同じ1% RS44872を含有するクリーム剤(RS-C)を対照として評価するため21施設よりなる研究班を組織して比較試験を実施し, 以下の成績を得た。
1. いずれの疾患においても総合効果判定, 菌所見, 副作用および有用性の判定に対してRS-S, RS-C両群間に統計的な有意差は認められなかつた。
2. 最終総合効果判定における有効率(“有効”以上の率)は足白癬でRS-S: 92.3%, RS-C: 77.4%, 股部白癬でRS-S: 87.5%, RS-C: 90.6%, 体部白癬でRS-S: 80.0%, RS-C: 94.6%, 間擦疹型皮膚カンジダ症でRS-S: 90.9%, RS-C: 100.0%, 癜風でRS-S: 93.9%, RS-C: 96.3%といずれも高い有効率を示した。
3. 統計的に有意ではないが, 最終総合効果判定および有用性の判定に対して足白癬ではRS-SがRS-Cより, また体部白癬ではRS-CがRS-Sより勝れる傾向(P<0.10)が認められた。
4. 副作用はRS-Sで5.0%(9/179), RS-Cで4.0%(7/175)にみられた。
以上の成績からRS-SはRS-Cと同様に皮膚真菌症の治療に高い有効率を示し, 副作用もとくに問題となるものは認められなかつた。
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