70才男子の頭部に生じた悪性血管内皮細胞腫の1例を報告した。組織学的には腫瘍細胞は真皮全層に増生している。多くは未分化細胞の集団であるが部分的に管腔を形成する。抗ヒト第VIII因子ウサギ血清を用いたPAP法では多くの腫瘍細胞は陰性であつたが, 管腔形成の著明な腫瘍細胞の細胞質内には赤褐色陽性物質がみられた。また電顕でWeibel-Palade顆粒をもつ腫瘍性内皮細胞の増殖を確認した。一方, 腫瘍細胞内には電子密な顆粒を含むファゴゾームが多数含まれていたが, 元素分析の結果大量の鉄を含有するためヘモジデリンと判明した。