西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
非サイアザイド系降圧剤メチクランによる白斑黒皮症
渡辺 雅久大神 太郎入船 弘子山下 和徳野中 薫雄吉田 彦太郎西本 勝太郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

1986 年 48 巻 6 号 p. 1060-1064

詳細
抄録

79才女子。高血圧症のためメチクランを内服し約半年後に露出部に紅斑が出現, 数ヵ月後には色素沈着および脱色素斑を生じ白斑黒皮症の状態となつた。原因薬剤の検索ではメチクランの内服照射試験でUVA照射24時間後に紅斑が出現した。また, 病歴上, 内服の既往のなかつたトリクロルメチアジドに対しても内服照射試験において交差反応が認められた。薬剤内服後のUVAに対する紅斑反応はメチクランでは5週間, トリクロルメチアジドでは1週間持続した。本症の光線過敏ではphotoallergicな機序が推定され, メチクランまたはサイアザイド系薬剤の再投与でpersistent light reactorへ移行する可能性も考えられ長期間のfollow upが必要と思われた。

著者関連情報
© 1986 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top