西日本皮膚科
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治療
プロブコールによる黄色腫治療の試み
多田 讓治
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1987 年 49 巻 1 号 p. 114-119

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抄録

眼瞼黄色腫および続発性限局性扁平黄色腫12例にプロブコールを投与し, 7例(58%)に黄色腫の縮小ないし消失を確認した。血清総コレステロール, β-リポ蛋白, HDL-コレステロール値は, プロブコール投与後早期より低下傾向がみられ, 有効例群, 無効例群の間に有意の差はみられなかつた。また, 総コレステロール値の変動と黄色腫の縮小の程度との間には一定の傾向は認められなかつた。12例中1例にそう痒の訴えがみられたが, ほかに特記すべき副作用はなく, プロブコールは正脂血性黄色腫患者に対しても, 冠動脈疾患が合併している可能性を考慮して早期に投与する価値のある薬剤と考えられる。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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