西日本皮膚科
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49 巻, 1 号
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図説
綜説
症例
  • 豊島 弘行, 赤星 吉徳, 堀 真, 吉田 彦太郎
    1987 年 49 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
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    30才男子の右足関節伸側に初発し, 同部での再発, 頭皮·肺への転移をきたしながら22年間を経過したepithelioid sarcomaの1例(現在も生存中)を報告した。病理組織学的には線維芽細胞様, 類上皮細胞様の腫瘍細胞と線維性結合組織の増生, 病巣中心部の壊死性変化などをみとめる。いずれの腫瘍細胞にも核の大小不同, 異型性がみられた。電顕的に線維芽細胞様細胞では核·細胞質ともに紡錘形を示し, 多数の発達した粗面小胞体を有していた。類上皮細胞様の細胞にはデスモソームがなく, よく発達した細胞質突起でたがいに接合し, 管腔様構造の形成が認められた。これらの所見は本症が滑膜組織へ向かつて分化した間葉系細胞の腫瘍であることを示唆するものと思われる。本症の治療にあたつては, 発病初期の正確な病理診断と, 積極的な外科的治療が必要と思われた。
  • 田中 敬子, 周藤 裕治, 田中 彰
    1987 年 49 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    注射薬による皮膚の局所的合併症は必ずしも多くはないが, しかし, ひとたび発症すると難治である。2例の注射薬が原因と思われる皮膚潰瘍を経験した。1例は, 頸部食道癌患者に抗癌剤(adriamycin, cisplatin, pepleomycin)の動脈内注入後に後頸部に激痛を生じ, 筋肉層におよぶ深い皮膚潰瘍を形成した。CTでは, 筋肉の脂肪変性が見られた。つぎの1例は, パーキンソン病に重症の肺炎を合併した患者でショック時にカテコラミン製剤(dopamine)を大伏在静脈より輸液ポンプで注入したところ, 左下腿, 注入部の中枢側に水疱, 後に皮膚潰瘍を形成した。壊死組織を除去すると中央に静脈が存在した。それぞれの症例の原因について考察を行つた。
  • 野中 薫雄, 大神 太郎, 吉田 彦太郎, 村山 史男, 山下 和徳, 計盛 幸子, 豊島 弘行
    1987 年 49 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
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    Porphyria cutanea tardaの7例を報告した。全例男子例で, 年令的には47才から69才であつた。7例中6例はアルコール摂取歴が認められたが, 症例4の1例のみはアルコール摂取について不明確であつた。患者は5人が長崎県在住, 2例は佐賀県在住であつた。皮膚所見では7例すべてに, 色素沈着, 瘢痕, 糜爛, 皮膚の脆弱などがみられ, そのほか2例に多毛, 2例に稗粒腫が認められた。光線過敏状態は2例に認められ, 日光曝露による皮疹の増悪に患者自身が気づいていた。ポルフィリン体測定値では, 7例中6例は尿中ポルフィリン体排泄量が500μg/L以上でUP優勢の排泄像を示していた。しかし, 1例は200μg/L以下の排泄量であつたが, UP優勢像であつた。糞便ポルフィリン体では, 6例中3例は100μg/g dry weight以上の排泄量を示し, かつCP優勢像を示していた。また2例は50∼100μg/g dry weightの排泄量であつたが, 1例はCP優勢, 1例はPP優勢像を示していた。1例は50μg/g dry weight以下の排泄量であつたが, CP優勢であつた。血液ポルフィリン体は6例とも正常域内であつた。生化学的所見では, 血清鉄は7例中2例が200μg/dl以上の高値を示したにすぎなかつた。肝機能検査では, 全例になんらかの異常値を認めたが, いずれも軽度の異常にとどまつていた。免疫グロブリン値では測定した5例中2例に2,000mg/dl以上のIgG値の上昇をみた。
  • 大坪 東彦, 成沢 寛, 本房 昭三, 幸田 弘
    1987 年 49 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    慢性関節リウマチ患者で細菌性肺炎を疑われ抗生剤使用後, アナフィラクトイド紫斑, 腎炎および胸膜炎を合併した66才女子の症例を報告した。紫斑が両下肢を中心として出現するとともに, 発熱, 関節症状の増悪, 皮下結節の出現, 尿潜血強陽性, 胸膜炎の出現など多彩な症状をきたした。なお, 生検を施行した紫斑および皮下結節においては, いずれも組織学的に血管炎の像が認められ, 腎生検ではIgA腎炎の所見が認められた。薬剤投与を起点として皮疹の出現がみられ, 同時に原疾患の増悪ならびに多臓器病変を呈し診断に苦慮した。治療経過からみても本来の意味での薬疹とはやや趣きが異なり, また, 種々の興味ある所見がみられた。
  • 洲脇 正雄, 広畑 衛
    1987 年 49 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    30才男子で慢性腎不全で維持透析に移行して4年後に発症したpseudo-porphyria cutanea tarda(以下P-PCTと略記)の1例を報告した。手背に小水疱, 糜爛, 小瘢痕, 色素脱失などを認め, 組織像では表皮下水疱であつた。臨床症状および組織学的所見からは晩発性皮膚ポルフィリン症(以下PCTと略記)に一致したが飲酒癖はなく, 肝機能, 血清鉄, 血液中および糞便中ポルフィリン値は正常であつた。慢性腎不全および維持透析を契機として発症したPCT様皮膚症状の報告を文献的に考察し, その多くの共通する発症因子として余剰ポルフィリンの排泄障害が関与すると考えた。
  • 東儀 君子, 杉原 久美子, 地土井 襄璽
    1987 年 49 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    島根県在住の64才, 74才女子にみられた慢性遊走性紅斑の2例を報告した。2症例ともダニ様の虫体による皮膚咬着の既往があり, 刺入部と思われる部位の硬結部切除により著明な皮疹の改善をみた。74才女子例においては組織学的に真皮内に取り残したと思われるダニの虫体の一部を発見した。本症の本邦報告例は自験例を含め19例を数え, ダニ刺咬の既往の明らかなものは5例である。ダニ刺咬と本症の発症原因および疫学について若干の考えを述べた。
  • 高野 美香, 西村 正幸, 林 紀孝, 利谷 昭治
    1987 年 49 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    佐世保市出身の44才男子の躯幹, 四肢に自覚症状のない紅色丘疹や浸潤性紅斑が播種状にみられた。組織学的には真皮上層から中層にかけて異型性のあるリンパ球様細胞の稠密な浸潤が認められ, その一部は表皮内にも浸潤し, 微小膿瘍を形成していた。個々の異常細胞は, 核に深い切れ込みをもち, OKT4, OKT11, Tac, Leu3a+3bおよびLeu4に陽性を示した。検査所見: 白血球数7,500/mm3, リンパ球10%, 異常リンパ球1%, LDH 541 IU/L, ガンマグロブリン0.58g/dl, 抗ATLA抗体陽性。当初ベタメサゾン3mg/日の10日間投与により皮疹は消退したので漸減し, 0.5mg/日を維持量としたがその後再燃したのでエンドキサン100mg/日5日間併用した。現在ベタメサゾン1mg/日連日投与とエンドキサン100mg/日の5日目ごとの服用で経過観察中である。末血が白血化していない“くすぶり型”成人T細胞白血病に低ガンマグロブリン血症がみられた点が特異的であつた。
  • —症例報告とわが国の文献の検討—
    田辺 俊英, 福代 良一
    1987 年 49 巻 1 号 p. 56-63
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    限局性皮膚クリプトコックス症の1例を述べた。症例は42歳, 男, 会社員, 富山市在住。初診(昭和60年10月)の1ヵ月前, 外傷の覚えなく, 左鎖骨部に皮疹を生じた。皮疹は境界明瞭な9.2×3.6cmの淡紅色局面で, 一部に膿疱も存在した。表在リンパ節腫脹はなかつた。胸部X線像·髄液検査·他の内臓検査に異常はなかつた。組織像: 表皮直下から真皮中層にかけて組織球を主とした肉芽腫様病変があり, そこに, とくに表皮に近い方に, 周囲に明るい空隙を伴つた大小の球形菌要素が多数認められた。痂皮·潰瘍滲出液·潰瘍底の被苔からSabouraudブドウ糖寒天で酵母様菌が分離でき, それはCryptococcus neoformans serotype Dと同定できた。喀痰·尿·血液·脊髄液からの培養はすべて陰性であつた。患者血清はC. neoformansに対し抗原価·抗体価とも2倍陽性を示した。5-FC(12g/日)6ヵ月間内服し, 患部は瘢痕治癒状態になつた。なお, わが国で報告された皮膚クリプトコックス症約60例の記録を検討した結果を述べ, 一部を表示した。
  • Fonsecaea compactaによる症例—
    谷川 瑞子
    1987 年 49 巻 1 号 p. 64-67
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    73才男子, 農業, 長崎県在住。昭和38年(53才)ごろに, 明らかな外傷の覚えなく, 左肘関節部に小腫瘤を生じた。昭和43年(58才), 長崎ABCCを受診し, 生検によつてクロモミコーシスの診断を受けた。以後, 各地の医療機関を転々としたが, 有効な治療は受けず, 病変は緩慢に拡大を続けた。昭和58年(73才)当科初診時の現症は病巣は左前腕伸側のほぼ全面にわたる比較的平坦な局面で, 中央部は瘢痕治癒状, 辺縁は堤防状に隆起し, そこに浸潤と糜爛を伴つていた。自覚症状はなく, 領域リンパ節の腫脹もなかつた。痂皮のKOH標本および生検組織においてsclerotic cellが認められた。生検皮膚片から発育の遅い黒色真菌株が分離され, それは菌学的にFonsecaea compactaと同定された。治療として, 5FC, 温熱療法, 切除の3者を併用し, 病変は完治の状態になつた。
研究
  • 滝脇 弘嗣
    1987 年 49 巻 1 号 p. 68-73
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    経皮炭酸ガス分圧(tcPco2)モニターのセンサをあらかじめ空気レベルに下げたあと, 身体各部の皮膚に装着し, tcPco2が定常値になるまでの応答曲線を記録した。各部位での応答速度をhalf time(t1/2)を示標として比較すると, 口唇粘膜でもつとも速く, 腕や躯幹の皮膚がそれに続き, 手掌と足蹠では著しく遅延した。またストリッピング施行部では, 施行回数が増すにつれt1/2は短縮した。さらに上腕より採取した角層を用いてin vitroでの応答速度についても検討した結果, tcPco2測定の応答速度はセンサ自体の応答遅延の影響などを除けば, 主に角層で律速されると結論し, 角層のin vitroでのCO2拡散係数を0.1×10-7cm2/秒と概算した。以上の結果から, tcPco2測定時の応答速度から角層の厚さを評価しうる可能性についても言及した。
  • 吉田 正己, 手塚 正
    1987 年 49 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    Cowdry A型封入体(好酸性核内封入体, 以下A型封入体と略記)は, 水痘·帯状疱疹ウイルス(VZV)や単純疱疹ウイルスに感染した細胞にみられる構造物である。今回は, 皮膚VZV感染症における真皮内のA型封入体をもつ細胞に感染したVZVの由来について検討した。材料は帯状疱疹10例, 汎発性帯状疱疹の汎発疹10例, 水痘6例の病理組織標本である。検索前の推察として, A型封入体をもつ毛細血管内皮細胞がみられる頻度は, 血行性のVZVにより発症する汎発疹と水痘の場合の方が神経行性のVZVにより発症する帯状疱疹の場合より多いであろうと考えていた。しかし検索の結果は, 前者の場合が16例中1例であつたのに対して, 後者の場合が10例中4例であり, はじめの推察と逆の結果が得られた。また, A型封入体をもつ線維芽細胞が前者の場合で16例中4例に, 後者の場合で10例中5例に認められた。そして, これらのA型封入体をもつ細胞はすべてウイルス性表皮内水疱直下の真皮乳頭層と上層に限局して認められた。以上の結果から, 真皮内のA型封入体をもつ細胞に感染したVZVは, 血行性または神経行性に由来するものではなく, 表皮細胞で増殖したVZVが真皮に波及したものと推察した。
  • 和田 恭子, 三原 公彦, 和田 秀敏
    1987 年 49 巻 1 号 p. 79-87
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    Dupuytren拘縮4例とその類縁疾患と思われるplantar fibromatosisの1例を報告した。皮膚所見では, 手指の拘縮のほかに手掌の皮下硬結(palmar fibromatosis), knuckle pads, 足底の皮下硬結(plantar fibromatosis: 別名Ledderhose病)を認めた。罹患手8手のうち, Iselinの分類に従い第2度以上の拘縮例3手と, 足蹠の有痛性皮下硬結例1例に対し部分腱膜切除術を行い良好な結果を得た。しかしながら手掌や足蹠の皮下硬結に対する単純摘出術例はいずれも再発した。このことより, 手掌や足蹠の皮下硬結のみの時期には安易な手術操作を避けることがDupuytren拘縮の治療にはもつとも大切なことといえる。
  • 福田 実, 長沼 雅子, 中嶋 啓介
    1987 年 49 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    新しいジベンゾイルメタン系の紫外線吸収剤であるパルソールAのUVA防止効果をヒトとモルモットを用いて, 実験的に検討した。その結果, パルソールAはモルモット皮膚に惹起されたUVAと8MOPによる光過敏反応を, 既存の紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール誘導体やベンゾフェノン誘導体, 酸化チタン, DHA(ジヒドロキシアセトン)とLawson(ジヒドロキシナフトキノン)の併用より, 明らかに強く抑制した。またパルソールAはUVAによりヒト皮膚に惹起された一次黒化と327∼373nmに作用波長を有する日光疹患者の反応を有意に防止した。
講座
統計
  • 末永 義則, 青野 誠一郎, 柳沢 一明, 堤 啓
    1987 年 49 巻 1 号 p. 100-104
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    昭和54年7月から59年12月までの産業医科大学皮膚科教室における伝染性軟属腫について統計的観察を行い, 以下の結果を得た。
    1) 症例数は235例で, 外来患者総数の1.38%であつた。
    2) 初診月別では8月が最多で, 季節的には夏期·春期·秋期·冬期の順であつた。
    3) 男女比は7:5で, 男子にやや多くみられた。
    4) 年令別では, 3才時にピークを示した。
    5) 合併症として, アトピー皮膚炎53例(22.6%), アトピー皮膚18例(7.7%), 二次感染3例(1.3%)が認められた。
    6) 発疹の数は単発15例(6.4%), 多発220例(93.6%)で, 単発例の部位としては, 体幹10例(66.7%), 頭部4例(26.7%), 四肢1例(6.6%)であつた。
    7) 臨床診断と組織診断の不一致例は11例で, 化膿性肉芽腫が3例と最多, ついで尋常疣贅の2例, 異物肉芽腫, 石灰化上皮腫, 疣状母斑, 感染性粉瘤·青年性扁平疣贅, 稗粒腫の各1例であつた。
治療
  • MS-A研究班
    1987 年 49 巻 1 号 p. 105-113
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    慢性蕁麻疹およびアトピー皮膚炎に対するMS-アンチゲン40の効果について, 多施設によるopen studyにて検討を行い以下の成績を得た。
    1. 試験実施症例数は慢性蕁麻疹62例, アトピー皮膚炎33例の総計95例であつた。
    2. 慢性蕁麻疹における有用性は「有用」以上で71%, 「やや有用」以上で86%であつた。アトピー皮膚炎では「有用」以上で41%, 「やや有用」以上で69%であつた。
    3. 副作用の発生は7例あつたが, 多くは注射部の疼痛であり, いずれの症状も投与を中止することによりすみやかに消失し, 重篤な副作用はみられなかつた。
    4. 臨床検査において試験終了後異常値を示した症例がみられたが, 多くはその程度は軽微であり, 本剤との関連が疑われるものは1例のみであり投与中止により改善傾向がみられた。
    以上の結果から, 慢性蕁麻疹およびアトピー皮膚炎の治療においてMS-アンチゲン40の投与は意義ある一方法と思われた。
  • 多田 讓治
    1987 年 49 巻 1 号 p. 114-119
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    眼瞼黄色腫および続発性限局性扁平黄色腫12例にプロブコールを投与し, 7例(58%)に黄色腫の縮小ないし消失を確認した。血清総コレステロール, β-リポ蛋白, HDL-コレステロール値は, プロブコール投与後早期より低下傾向がみられ, 有効例群, 無効例群の間に有意の差はみられなかつた。また, 総コレステロール値の変動と黄色腫の縮小の程度との間には一定の傾向は認められなかつた。12例中1例にそう痒の訴えがみられたが, ほかに特記すべき副作用はなく, プロブコールは正脂血性黄色腫患者に対しても, 冠動脈疾患が合併している可能性を考慮して早期に投与する価値のある薬剤と考えられる。
  • LPDS皮膚科研究班
    1987 年 49 巻 1 号 p. 120-125
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    難治性皮膚潰瘍に対する凍結乾燥豚真皮(LPDS)の有効性と安全性について, 探索的な検討を行つた。対象とした広義の難治性皮膚潰瘍を有する40症例に対するLPDS貼付の有用性の判定結果は, きわめて有用20例(50%), 有用10例(25%), やや有用6例(15%), 好ましくない4例(10%)であつた。全例において, 細菌感染の状態を観察したが, 二次感染を生じ増悪した症例は皆無であつた。LPDSによる難治性皮膚潰瘍治療は期待以上の治療成績を提供してくれた。
  • デルモベートスカルプ·脂漏性皮膚炎臨床研究班
    1987 年 49 巻 1 号 p. 126-130
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    頭皮用として開発されたステロイド外用剤デルモベートスカルプの頭部脂漏性皮膚炎に対する有効性, 安全性を検討する目的で5施設の共同研究を行い下記の結果を得た。
    1) 頭部脂漏性皮膚炎患者75例に対し投与3週後の全般改善度は98.7%と優れた改善率が得られた。
    2) 皮膚所見においては主症状であるそう痒, 潮紅, 鱗屑に対し著明な改善が認められた。
    3) 副作用については75症例中, 刺激感3例, 毛包炎2例, ざ瘡様発疹1例を認めたがいずれの症状も治療を中止するような重篤なものではなかつた。
    4) 有用性の判定では90.7%が有用以上と判定された。
    以上の成績からデルモベートスカルプは頭部脂漏性皮膚炎に対し, 臨床的にきわめて有用な薬剤と考えられる。
  • 松村 和子, 野村 和夫
    1987 年 49 巻 1 号 p. 131-135
    発行日: 1987/02/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    9-β-D-arabinofuranosyladenine(vidarabine, アラセナ-A)の帯状疱疹に対する有効性を検討した。
    (1) 主として高令者や, 悪性腫瘍に併発した免疫低下状態にある患者の帯状疱疹, 汎発性帯状疱疹10例に対して, アラセナ-A 300mg/日を4∼5日間点滴静注によつて投与した。
    (2) 皮疹改善度は100%, 全般改善度は100%, 有用度は90%であつた。
    (3) 副作用は, 悪心, 嘔吐が1例, 肝機能障害が1例に認められたが, いずれも軽度で, 投与継続は可能であつた。
    以上より, アラセナ-A静注療法は, とくに高令者および悪性腫瘍に併発した免疫低下状態の患者の帯状疱疹, 汎発性帯状疱疹の治療にきわめて有効であると考えられた。
世界の皮膚科学者
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