西日本皮膚科
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症例
伝染性軟属腫を多発した成人T細胞白血病
入船 弘子鈴木 公子村山 史男大神 太郎野中 薫雄
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1987 年 49 巻 4 号 p. 624-626

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抄録

数年におよぶ難治性の伝染性軟属腫の治療経過中に, 成人T細胞白血病と診断された1例を報告した。患者は55才男子で, 昭和52年頃より全身に伝染性軟属腫が多発するようになつた。DNCB感作テスト陰性, ツベルクリン反応陰性などより何らかの免疫不全が示唆され, 定期的に血液検査を行つていたところ, 昭和59年9月頃より白血球増加, 末梢血中に花弁状分葉核を有する異常リンパ球を認めるようになつた。また, ATLA抗体は80倍陽性を示した。以上より, 成人T細胞白血病と診断したが, 全身状態良好のため, 皮疹の治療のみを行つていたところ, 昭和60年6月, 肺炎を併発し, さらに脳症状をきたして死亡した。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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