西日本皮膚科
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症例
5FCにより光線過敏症をおこしたクロモミコーシス
仲 弥原田 敬之西川 武二
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1987 年 49 巻 4 号 p. 632-636

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抄録

64才男子の右肩に生じたFonsecaea pedrosoiによるクロモミコーシスの1例を報告した。5FC内服38日間, 総量226gにて皮疹は縮小し, 菌の発育も認められなくなつたが, 裸露部に発赤腫脹が出現したため, 5FCによる光線過敏症を疑い内服中止したところ皮疹は速やかに消退した。残存するクロモミコーシスの皮疹は切除し, 切除片の組織学的検索および培養を行つたが, 菌は検出できなかつた。また, 初診時にテープ剥離培養法を用いて角層内における菌の存在につき検索したところ, 菌は病変部のみならず病変部周囲2mmまでの健常皮膚からも培養された。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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