抄録
小児の重症アトピー皮膚炎につき, IgE抗体ならびに細胞性免疫能に関して検討するため, 各種抗体の特異IgE抗体, 抗IgE抗体, リンパ球のサブセットとしてOKT4陽性細胞, OKT8陽性細胞, OKT4/OKT8比, concanavalin A(Con A)刺激によるリンパ球幼若化率を測定した。アトピー皮膚炎では血清IgE値は高値を示し, 各種食物抗原のRAST陽性を示していた。Con A刺激によるリンパ球幼若化率の減少がみられた。アトピー皮膚炎においては高IgE血症ならびにT細胞系を含めた一連の免疫反応が存在するものと推察された。