西日本皮膚科
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症例
セファランチンによる薬疹
 
山崎 雙次古谷 達孝岩堀 泰隆
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1989 年 51 巻 4 号 p. 682-685

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抄録

セファランチンによる薬疹の1例を報告した。66才男子。再発性アフタのためセファランチン内服中ほぼ全身に丘疹ないし小紅斑性皮疹が多発した。組織学的に軽度のspongiosis, 真皮上層の血管周囲に中等度のリンパ球性細胞浸潤。プレドニゾロンを投与し皮疹軽快後, セファランチン1mgにて内服テスト施行したところ陽性。なおパッチテストは陰性, 皮内反応はコントロールと差がなかつた。自験例では薬疹出現時および内服テスト陽性時に一過性に好中球増多を伴う白血球増多が認められ, さらに当科でセファランチン投与中の患者12例のいずれにも上記異常検査所見が見出せなかつたことより, この異常検査所見はセファランチンによる薬疹の指標となり得るかもしれないと考えた。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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