西日本皮膚科
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症例
種々の段階を示した糖尿病性皮膚病変
戸井 洋一郎神崎 寛子荒川 謙三洲脇 正雄
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1989 年 51 巻 4 号 p. 686-690

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抄録

57才男子の両下腿に, 臨床的にはnecrobiosis lipoidicaを思わせる皮疹を呈しながら組織学的には異なる所見を呈した糖尿病性皮膚病変を報告した。昭和58年より糖尿病を指摘され, 昭和62年より両下腿前面にnecrobiosis lipoidicaを思わせる紅斑が出現し, 拡大してきた。組織学的には毛細血管壁の肥厚, 膠原線維の変性とリンパ球浸潤がみられたが, 肉芽腫形成は見られなかつた。以上より本症を糖尿病性microangiopathyを基盤としながら, 患者の特殊な条件によつてpigmented pretibial patchesがnecrobiosis lipoidica寄りの病像を示したものと考えた。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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