各種皮膚悪性腫瘍に対する遺伝子組換えヒトインターフェロン
γ(SUN4800)の後期臨床第II相試験を全国47施設の共同研究として, 82例を対象に行つた。症例の評価選択に関しては「皮膚悪性腫瘍における固形がん薬物療法効果判定基準」
1)に従つた。全身投与は, 点滴静注で49例, 筋肉内投与で5例, 皮下投与で1例実施し, 点滴静注で投与した菌状息肉症では, 26例の評価可能例のうち, CR 2例, PR 13例が認められ, その奏効率は57.7%であつた。局所投与は27例実施し, 菌状息肉症4例中CR 2例, PR 1例(奏効率75.0%), 有棘細胞癌4例中CR 3例(奏効率75.0%), Bowen病6例中CR 1例, PR 3例(奏効率66.7%), 乳房外Paget病4例中CR 3例(奏効率75.0%)が認められた。点滴静注による主な副作用は, 自他覚症状として, 発熱, 全身倦怠感, 悪寒, 戦慄, および悪心·嘔吐であり, 臨床検査値異常として白血球·好中球減少, GOT上昇, およびGPT上昇であつたが, 大部分は軽度でありいずれも投与終了後, 元のレベルまで回復した。全般に局所投与による副作用は, 全身投与に比べ軽微であつた。以上の成績より, SUN4800は点滴静注または局所投与で菌状息肉症に対し有用性の高い治療薬であると考えられた。
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